ドバイは物乞いもお金持ちらしい
お金持ちのイメージが強い「ドバイ」で物乞いをするだけで月800万円も稼げるという話を聞いたことはあるでしょうか?
昼は物乞いし夜は5つ星ホテルに滞在しているようで、遠征して物乞いしている者もいるらしいです。
そんなドバイの物乞いについて今回は調べてまとめてきたので、皆さんと共有したいと思います。
目次
『はじめに』
物乞いが800万円と聞くと、ドバイの金銭感覚が常人のそれとは大きくかけ離れていると感じますよね。
それに「私もやってみよう」「私も億万長者だ」といった考えが浮かんでもおかしくありません。
しかし、残念ながら毎月800万稼げるわけではなく、年に1回程度でしょう。
まぁ、それでも十分なのですが。
その年に1回しか稼げない理由には「イスラム文化」が大きくかかわっています。
それに、普通に生活できる人が物乞いをするのは倫理的にも問題であることに加え、騙して金銭を貰っている形なので、詐欺罪に該当する可能性がありますね。
また、去年には物乞い問題が大きくなったお陰か、法改正が入り、簡単には稼げないようになってしまいました。
『本題』
では、本題ですが、順を追って説明したいと思います。
『トバイとは?』
まず、ドバイと聞いて多くの人が東京都心以上の高層ビルが立ち並び、そこら中を高級車が走り回っているお金持ちだらけの場所、そんな光景を思い浮かべるかと思います。
では、それを実現させた大金の元は何なのか。
中東と言えば石油?
港町に多く見られる貿易産業?
それとも観光業?
はたまた金融?
正解はその全部です。
周辺の産油国に比べれば劣るものの、石油も取ることができ、港を使った貿易でも大きな利益を出し、それらで得た資金で観光地化も成功に導きました。
それでも特に影響力が強かったのは、なんといっても周辺国の石油王達でした。
彼らは日本やアメリカなどの富豪とは違い、どちらかと言えば中国の富豪のイメージに私は近かったです。
端的に言えば下品である「成金」ということです。
そんな成金の中にはビジネスの欠片も知らないにもかかわらず、石油の恩恵だけでお金持ちの地位へとたどり着いた人もいるくらいです。
全員が全員というわけではありませんが。
つまり、大金の使い方がよく分かっていないがゆえに、使い方が上手では無かったのです。
親がラクダに乗って進んでいた道を多額のオイルマネーで舗装した道路と高級車を手に入れ、目にもとまらぬ速度で飛ばしている。
そんな様子をドバイのラーシド首長は見逃さなかったようで、お金の使い方が豪快な成金達が散財できる場所を作り上げ、周辺国のオイルマネーの恩恵を受けられる仕組みを作り出したのです。
そうして砂漠の更地であったドバイは「世界一高いタワー」「世界一大きい人工島」「世界一大きいショッピングモール」などなどを作り上げました。
2008年に起こったリーマンショックの影響を大きく受けるも、隣国のアブダビから100億ドルもの資金援助をもらい、なんとか立て直しました。
その後も何度も中東は不安定な状況に置かれるが、ドバイの社会状況は投資や観光によってうるおい始めていたため、問題はありませんでした。
『物乞いの登場』
安定を手に入れたドバイに新たな問題、物乞いの登場です。
今から5年程前にネット上ではこんな記事が話題になっていました。
「高収入なドバイの遠征乞食が問題に!月800万円稼ぐ乞食は昼物乞いし夜は五つ星ホテルに滞在」
「ドバイの「ブロ物乞い」1カ月で稼ぐ額は約810万円にのぼる?」
こんな記事を目にした当時の人達は今すぐにでもドバイに行きたくなったに違いないでしょう。
では、現在はどうなのか?
結論から言うと、完全に違法化されています。
具体的には外国人やある程度の収入がある人が物乞いをした場合、警察に連れて行かれ、母国へ強制送還です。
『イスラム文化との兼ね合い』
いくら富豪だらけのドバイとはいえ、何故そこまで物乞いが稼げるのでしょうか。
イスラム教の信者であるムスリムには、義務の1つとして「断食」があり、イスラム暦の9番目の月である「マラダン」に行う決まりになっています。
ちなみにイスラム暦とは月の満ち欠けのみを元にした暦で、私達が日々使っているクレゴリオ暦とはズレがあります。
ラマダンが始まるのが、私達で言うところの毎年春の頃で、その日から一カ月が期間として決められており、特にその時期はイスラムの教えに対して積極的になります。
そこで物乞いに大きな影響を与えているのが、イスラム教の基礎となる教えである「ザカート」です。
簡単に言えば「分かち合い」と言う考え方で、豊な者が貧しい者に財産などを分け与え、その財産と行動でアッラーへの崇拝を示します。
つまり、マラダンの一カ月はイスラム教文化を積極的になり、ザカートにも熱心になるわけなので、その時期に物乞いをすると普段以上にお金が集まります。
これは今に始まった習わしではなく、数百年以上前から存在していましたが、それを自身の私利私欲のために悪用する輩が出てきたのは、文化の始まりから考えると、ここ最近の出来事だと言えます。
海外からの遠征で入国した乞食達は毎日30万円程稼ぎ、夜は5つ星ホテルに滞在しているようで、多くの遠征乞食達は観光ビザを利用し、3カ月だけ滞在して出来る限り多く稼いでから帰国するようです。
遠征乞食達のやり方としては、ボロボロの服を身にまとい、松葉杖を持つなどすることで、怪我人や病人を装っている奴らもいるようです。
そんな奴がまさか、毎晩5つ星ホテルに滞在して、豪勢に海外遠征を満喫している事を、お金を分け与えた人は知る由もないでしょう。
そんな愚かで醜く卑劣な奴らは2010年代には数百人もドバイを訪れ、現地でイスラム教を信仰する石油王を始めとした富豪達から大金をもぎ取り帰国していきました。
そんな様子をドバイ側が黙って見ているわけもありません。
『物乞いの対策』
2015年には遠征乞食達1405人が現地警察に逮捕されました。
日本で話題になった記事は、全世界でも話題になっていたようで、それを見て世界各国から遠征してくる乞食が増えたようです。
もちろん、遠征乞食全員が全員800万円稼げるわけではなでしょうが、多くの人が夢を見て、遠征乞食となって行ったのでしょう。
ですが、現地で逮捕されると、それ相応の処罰が容易されており、乞食行為が悪質であると判断された場合は、ドバイへの今後一切の入国を禁止される可能性もあるでしょう。
しかし、本当の乞食ではない、物乞いも中にはいるはずなので、警察はそれを見分けなければならないのですが、実はドバイの一件が異常なだけで、偽物の物乞いやホームレスは世界中にいます。
『世界中の乞食』
現にニューヨークの地下鉄には「病気の治療のためにお金が欲しい」と訴えてくる人が居たかと思えば、物乞いを主な収入源として世界を旅する「ベックパッキング」なんてものも話題になっています。
物乞いで旅するベッグパッカーは現地の人からお金をせがんでいることから、現地住民や入国管理局の批判の対象にもなっています。
これが問題なのは、旅行者よりも貧しい人がお金を出す場合もあることです。
ストリートミュージシャンやパフォーマーが自身の芸でお金を得るのならまだ、納得できますが、貧しい乞食に成りすますのは卑怯極まりないと思います。
『最後に』
ここまで読んでくださった皆様の中に「成りすましで大金を稼いでいる人がいるなら、全ての物乞いと関わらなければいいのでは?」と思った人も多いのではないでしょうか。
現に海外旅行に行くと、物乞いに出くわすことは少なくなく、特に日本人はお金を持っているイメージを相手が持っている場合が多いので、必要に迫られることがあります。
とはいえ、本当に皆が物乞いにお金を落とさなくなれば、本当に生活に困窮している人は、より貧困な状況に置かれてしまうでしょう。
そうなれば、お金を原因とした争いが増え、物乞いでお金を得るために、わざわざ自身の体の一部をなくしたり、自分や他人の子供を使ったりと、さらに目も当てられない状況に陥るでしょう。
多くの国では生活に困窮した人を助ける補助があるが、本当に貧困な人はそんな補助すら触れることができなかったり、国自体が貧困で補助を設けられない場合もある。
本当に貧困な人補助を受けるための多くの手続きや書類作成といった作業が行えない状況下にある場合もあります。
結局、現代の物乞いの環境は最悪で、善と悪が入り混じった状態だと言えるでしょう。
真の物乞いだと思ってお金を渡しても、渡したお金が何に使われているのかは受け取った物乞いしか知らないのですから。
今晩をしのぐための足しにでもと渡したお金が、高級ホテルの宿泊費に使われているのかもしれないですし、安いインスタント食品を買っているのかもしれないのです。
物乞いにお金を渡すのか渡さないのか、渡すとしていくら渡すのかといった判断はお金の持ち主である貴方に決定権がありますが、今回書いた内容を頭の片隅に置いておく必要があることは間違いないでしょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
この記事の内容をうのみにすることなく、複数の記事を参考にし、総合的に判断することをおすすめします。
それでは、またどこかで。