催眠商法ってなに?
主にお年寄りをターゲットにしているのが催眠商法です。
自分は大丈夫でも、自分の両親や祖父母が被害にあいやすく、一緒に暮らしておらず、さらには実家が遠い方は要注意です。
また、両親や祖父母か亡くなってから、実は催眠商法に引っかかっていたことに気づくケースも少なくありません。
これは、被害者本人が騙されている自覚の無いまま高額な買い物を繰り返してしまうのが原因です。
そんな催眠に掛けられたかのようにお金を騙し取られています。
そこで今回は催眠商法とは何なのかを始め、手口と対策を「あやしい催眠商法 だましの全手口」という本を使って紹介したいと思います。
目次
『本の紹介』
今回紹介する本は『あやしい催眠商法 だましの全手口』です。
この本は実際に催眠商法を行っていた方が書いた本です。
そんな方が書いただけあって、催眠商法の手口が詳しく分かりやすく書かれています。
皆さん自身が読むことも効果的ですが、可能であればご両親に読んで頂きましょう。
催眠商法はお年寄りの弱みに付け込むような巧妙な仕組みになっているので、手口を知らない場合、簡単に引っかかってしまいます。
著者:ロバート・熊
出版社:自由国民社
発売日:2018年11月
ページ数:230p
『催眠商法とは?』
手口としてはマルチ商法と似ています。
表向きは「自然食品の店」「宣伝会場」「講演会」といった名目で開催していることが多く、同じ場所で長期的に開催しているのではなく、空き店舗や空き倉庫、空き地などで短期的に開催し、無料のプレゼントを配るなどで人を集めます。
ここで集めるのは主にお年寄りです。
すぐに物を売りつけるのではなく、最初は世間話などで仲良くなります。
プレゼントと世間話などで数日かけてその集まりに依存するように誘導します。
これには子供達は家を出て、長年付き添ったパートナーに先立たれ、独り身になってさみしい思いをしている方程、催眠に掛かりやすいです。
そして最後に、高額な商品を売りつけます。
催眠商法が恐ろしい特徴として、法外な価格で商品を買わされているのも関わらず、本人が被害にあってる実感を持っていないことです。
お年寄りは完全に催眠に掛かっており、それが値段相応の商品でなくても、買った本人は「いい買い物をした」と思っているので、訴えられることはほとんどないそうです。
そこで、皆さんは両親は祖父母が「いい買い物をした」といった話をしていた場合は、注意して詳しく聞いてみるとよいでしょう。
『催眠商法の手口』
基本的な流れとして、催眠商法を行っている会社は1回の商売を開催する期間は1日の所もあれば、長い時間を掛ける所もあります。
一般的には1カ月から3カ月を1クールをとしている会社が多いそうです。
その期間、毎日同じ商品の販売を行うのではなく、段階を踏んでいくつもの商品を購入させます。
最初から商品の話をするのではなく、雑談や世間話をして親密度を上げます。
また、タダ同然でティシュやトイレットペーパーなどの日用品をプレゼントします。
しかし、条件があり、最初に少額の参加費を取り、最後まで参加して話を聞いた方にプレゼントを渡すというやり方が多いそうです。
そんな話の中にはお年寄りのお財布のひもが緩むような雑談や世間話が多く含まれています。
例えば
「お金を残しても子供達のためにはならない」
「お金を貯めこんでも意味がない」
「お金を使わなかった結果、不幸になった」
といった話をします。
とはいえ、どんな講演会でも、つかみの雑談と言うのはただ面白かったり、ためになる話がされるわけではなく、雑談の皮を被って自分の話を有利に進めるような意図をもって話しています。
しかし、そんなことに聞いている側が気づくとこはまずないため、思考がどんどん誘導されて行きます。
そんな催眠商法の講演会は、講師1人とアシスタント3~4人程度で分担されているのが一般的で、ここでのアシスタントの役割はテレビショッピングでよく見るアシスタントをより強力にした存在です。
「今回、こちらの掃除機をここちらの価格でご提供いたします!」
『でも、少し高いんじゃないですか?』
「そうですよね、そこでこの値段から更に1万円引きでのご提供です!」
『すごいですね!』
「それだけではありません!こちらのあらゆる場所の掃除を便利にしてくれるアタチメントもお付けいたします!」
『本当ですか!』
「本当です、しかし、これだけではありませんよ!いまご家庭でお使いの掃除機を1万円で買い取らせていただきます!」
『そこまでしてくれるんですか!』
例としてはこんな感じです。
これだけがアシスタントの仕事ではなく、他にも講演会の前後でも参加者と仲良くなったり、商品のすばらしさをステマのように伝えたり、売り込みやすそうな人を探したりします。
再程同じだと言ったマルチ商法でも講演会に催眠商法アシスタントのようなサクラを紛れ込ませている場合が多いのですが、これはとても有効です。
人は周りに影響されやすいので、自分が良いとは思っていなくても、周囲の人達が良いと言っていた場合、同じ様に思い始め、さも自分の意見の様に考えてしまいます。
これらの流れを一通り終え、その地域のお年寄りに商品を売りつけ終わったら、場所を移動して同じような事をまた繰り返します。
ですが、一度売ったら終わりではなく、沢山買ってくれたお客さんには会員証なるものを発行し、定期的な集まりに招待して囲い込みます。
ここではプレゼントや講演会だけではなく、旅行やコンサートが開催される事もあるようで、そこでもまた記念品や限定といった文言で商品を売りつけるそうです。
つまり、会員証は催眠商法を行っている会社からすればカモの印ということになります。
『催眠商法に合う前の対処法』
この詐欺に関する知識を知らないお年寄りが騙されないようにするのはとても難しいです。
例え「買わない」と決意して会場に言っても、その場の雰囲気にのまれて買ってしまいます。
そこで、ここで紹介する対処法をあらかじめ知っておくことが大切です。
『具体的な注意喚起』
この具体的がとても重要です。
例えば
「話を聞くだけで物がもらえる場所があっても詐欺の可能性が高いから絶対に近づかないでね。引っかからない自信があっても、会場の雰囲気や周りに載せられて買ってしまうかもしれないからね」
ここまで言っても買ってしまう場合があるので、これに付け加えて
「もし買ってしまっても、怒らないからすぐに私に教えてね」
と言いましょう。
実際に買ってしまったお年寄りの中には困っているのに、怒られることを恐れて言い出せない方もいます。
子供かと思うかもしれませんが、人は誰しも怒られる可能性がある場合は言い出せないものです。
そのため、両親や祖父母から催眠商法に引っかかってしまった趣旨の告白があった場合は絶対に怒ったり、否定したりせず、気持ちに寄り添ってあげましょう。
一人暮らしなどで寂しい思いをしているお年寄りが催眠商法に引っかかってしまうのは仕方のない面があります。
また、販売員と友達のような関係にまで進展している場合があるので、怒ったり否定したりすると「貴方になにが分かるの!」と話してくれなくなります。
以前に紹介したマルチ商法の辞めさせ方でも書いたのですが、相手の否定は全てを壊してしまう場合があります。
それに、普段から合いに行ったり、電話等で話をしていたりすれば防げることでもあるので、催眠商法に引っかかってしまったのには自分にも責任があると思って行動しましょう。
『催眠商法にはまっている兆候』
これは同居している場合と別居している場合の2つのパターンがあります。
まずは同居している場合から説明します。
この場合であれば比較的気づく事が容易です。
1.「同じ時間に家を出て、同じ時間に帰ってくる」
2.「1の時に毎回何かしらのお土産を持っている」
この2つのポイントに気を付けてみましょう。
良く配られるお土産として「お米」「パン」「ティシュ」「トイレットペーパー」といった一見買い物にも思えてしまうのですが、普段使っているメーカーと異なっていたり、ここ最近て急に、といった場合は注意が必要です。
次に別居している場合です。
1.「空き部屋や収納に必要以上の日用品がある」
2.「色々な種類の健康食品が置かれている」
この2つのポイントに気をつけましょう。
「1」の場合は、両親や祖父母から「使いきれないから」とその日用品を渡されることもあるので、そこで気づけるかもしれません。
「2」の色々な種類ですが、5種類以上あれば気を付けた方がいいです。
これらのポイントが当てはまる場合は、話を聞いてみましょう。
『被害にあってしまった場合の対処法』
ここでは実際に、もう高額な商品を買ってしまった場合の対処法を紹介します。
ますは、一緒にクーリングオフしに行きましょう。
ここでは「一緒に」がとても重要です。
もしお年寄りが1人で行った場合、上手く丸め込まれて終わりです。
中には気の弱いお年寄りであることを良いことに脅迫してくる場合もあります。
ちなみに、クーリングオフとは無条件で契約を解除できる制度ですので、業者の言い分を聞いたり、理由を聞かれても答える必要もありません。
また、クーリングオフしようとしているのにも関わらず、相手の説得がしつこいと感じた場合はクーリングオフの妨害行為に該当する場合がありますので、消費者ホットラインなどに相談してみましょう。
最寄りの相談所を紹介してくれます。
ちなみに、消費者ホットラインの電話番号は188です。
詳しいクーリングオフの方法はコチラをご覧ください。
『最後に』
今回は催眠商法につて取り上げました。
お年寄りの中にもそういった詐欺のターゲットにされやすい人と、されにくい人が居ます。
されやすい人は簡単に言えば愛想のいい人です。
押しに弱かったり、話をうなずいたり、笑ってくれたりして聞いているといった、感情が動かされやすい人が狙われやすいです。
つまり、逆に感情が動きにくい人は狙われにくいのです。
今回は以上です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
この本が気になった方は、リンクを下に張っておきますので、チェックしてみてください。
この記事の内容をうのみにすることなく、複数の記事を参考にし、総合的に判断することをおすすめします。
そでは、まとどこかで。