元マルチ勧誘者の参考書『説得の心理技術』
今回は私のマルチ関連の記事に度々登場するA氏が勧誘を行っていた時代に参考にしていた本を教えてもらったので、共有しようと思います。
勧誘の手口を知ることで、対応できるようになり、被害が減少することを願って投稿しています。
『はじめに』
話を聞いたA氏とは、マルチ業界に詳しい方でマルチビジネス元成功者の方です。
A氏はマルチを5、6年程やっていたそうで、最初の数年は赤字続きでしたが、最終的には黒字に転換し、成功を収めたそうです。
黒時期には月収100万を超えることも出来ており、年収で言うと、最高2000万を超えたこともある程の実力者です。
業界の中にこういった実績を持っている方は非常に少ないようです。
A氏の手法としては、初めての方と話しをして、最終的に数十万の商品を買ってもらう、いわば、マルチ勧誘のプロだったということです。
そんなA氏が勧誘を行う際に、参考書として使っていた書籍を紹介したいと思います。
これを知ることで、勧誘の手口を知り、勧誘されにくくなるだけではなく、日常生活に応用することで、よりよい暮らしにつながる可能性があります。
注意事項としては、悪用厳禁です。
『説得の心理学』
今回紹介する本は「説得の心理学」です。
- 作者:デイブ・ラクハニ
- メディア: 単行本
著者:デイブ・ラクハニ
出版社:ダイレクト出版
発売日:2013年5月
ページ数:303p
『この本概要』
著者である、デイブ・ラクハニ氏は7歳~16歳までをカルト教団で過ごしました。
教団を抜けたのち、洗脳や説得、人の操作に関して研究した方です。
この本はそんなカルト教団で過ごした少年時代の経験をもとに、教団の洗脳等の技術を分析し、それを日常で利用できるように応用した本です。
著者であるデイブ氏はビジネスに応用し、成功を収めています。
A氏も勧誘を行っていた際に、この本を読み込むことで、勧誘の成功率を大幅に向上させることができたため、本の有効性や危険性をとても理解しているそうです。
この本のマイナスな特徴として「書店では買えない」「読みにくい」の二つが上げられます。
まず、書店で買えないのは、この本を出版しているダイレクト出版がネット上での販売を専門としていることです。
次に、読みにくい点ですが、これについてはA氏がとても強調して言っていました。
内容はとても濃く、良い物ではあるのですが、なにせ読みにくいため、A氏も最後まで読むまでに何度も挫折しているそうですが、逆に考えると、何度も挫折してでも読みたい本だと言うことです。
オススメの買い方としては、上の方に張ってあるリンクからAmazonで買ってもいいのですが、下に張ったダイレクト出版のサイトから購入すれば、90日間の完全保証が付いているので、もし合わなかった場合を考えると、そちらがオススメですし、私がこの記事を書いている段階でAmazonの在庫は1冊しかなかったので、在庫が無かった場合にも役にたつと思います。
『内容紹介』
この本の内容を
1.操作の4条件
2.説得力の高い人の特徴
3.相手を操作する為のトーク術
4.説得力を上げるには
の4段階に分けてできるだけわかりやすく紹介したいと思います。
『操作の4条件』
操作も洗脳も説得も、相手の考えや気持ちを自分の思い通りの方向に動かすという点では同じなので、方法も一緒です。
ここでは一括りに操作として解説します。
まず、操作されやすい人の条件4つを説明します。
『問題意識を持っている』
理由としては、問題を解決するために、それに関する情報は無視できず、記憶に残りやすいからです。
コロナ過などで、経済不振に陥った時に宗教勧誘等が活発になるのはこれが理由です。
例え問題意識を持っていなくても、適応な問題を意識させ、解決させた気持ちを煽る場合があります。
例えば、満腹状態の人に料理を進めることはできないですが、空腹時は、食べ物であれば、なんでもよくなり、普段よりおいしく感じますよね?
それと原理としては同じです。
『急がせる』
よく通販番組等で「先着〇名!」や「本日限定!」などといった売り文句を耳にしたり、見たことがあると思います。
こうすることで、人は焦らされ、正常な判断力が鈍ってしまう場合があります。
これは分かりやすいと思います。
『損を意識させる』
相手に「今この場で、決めなければ損してしまうのではないか」と思わせることがとても大事です。
例えば、同じ金額でも、利益と損失では、損失の方が心が動かされ、何日も引きずってしまうのではないでしょうか。
そのため、メリットを伝えることも大切ですが、それ以上にデメリットを強調して説明すると、相手の心を大きく動かすことが可能です。
1つ前の「急がせる」も損を意識させることにつながっています。
キャンペーンによって買うか悩やまされているのであれば、キャンペーンが無ければ買わないという事なので、本当に必要かどうかが、簡単に導き出せますよね。
これは分かっていても、反射的に反応して、視野が狭まってしまうので、この戦法に引っかかってしまう人がいて当然ですが。
『信用できる人の存在』
様々な選択肢を用意された場合に、人は悩んでしまいます。
例えば、目の前に沢山の種類のドレッシングが並んでいた場合に、どれを買おうか悩んでしまいますよね。
そこで、ネットでオススメのドレッシングを調べてみると、とあるイタリアンレストランのオーナーシェフ一押しのドレッシングが目の前で売っていたら、それを選んでしまいますよね。
これは、イタリアンのシェフが信頼できる肩書で、ドレッシングを選ぶ際に参考に出来るからです。
そのため、勧誘する際に、様々な説明をしてそれに関して詳しく、知識があると思わせることで、進めた際、相手に「この人が言ってるなら大丈夫だろう」と考えるようになります。
これはその分野に相手が詳しくなければ詳しくない程、有効な手法です。
だからこそ、自分が信用できる人物になることで、話をスムーズに進める事が出来ます。
テレビ等で話のはじめに、自分の肩書や経歴を紹介するのはこの為ですね。
余談ですが、選択肢が多い物に人間は弱いと言われており、多ければ多い程、商品であれば売れ行きが下がるそうです。
これは、どれがいいのか分からなくなった結果、買うこと自体を辞めてしまうからです。
そこで、よく「人気ナンバーワン!」や「当店オススメ」等のポップが張られているのです。
『説得力の高い人の特徴』
信頼されればされるほど、それだけ説得力も増すため、比例の関係にあると言えます。
そんな説得力のある人の条件をここでは紹介します。
『見た目』
外見は説得力を上げる上でとても重要です。
分かりやすい例でいえば、美容系のYoutuberなのに顔を見て化粧技術が低いと感じた場合、説得力は下がり、その人の動画を参考にしようとは思わないですよね。
化粧品の広告に美人な女優さんを起用しているのも同じような理由です。
A氏いわく、マルチ勧誘で化粧品やサプリ等を扱って成功している女性は容姿の優れた方が多いそうです。
それは、彼女達のような容姿でないと、売り上げが極端に下がる為で、その分野のリーダー達もおのずと、整った容姿の方で固まっているそうです。
そのため、あまり大きな声では言えないですが、ビジネスを目的とした美容整形の効果は大きいと思います。
しかし、整形に抵抗を持つ方も多く、実際A氏は整形以外の方法で外見を整えていたそうなので、紹介します。
1つ目はやはりファッションです。
ズボンや服だけではなく、靴やアクセサリー、カバンに至るまで、すべての物がダサいといった印象を与えたり、組み合わせに問題が無いかを意識しましょう。
また、自分に合ったサイズなのかも重要です。
2つ目は髪型です。
月に一回を目安に床屋や美容院等で整えましょう。
3つ目は爪です。
つねに清潔に整えておきましょう。
男性の場合、意識していない場合が多いそうなので、意識するだけで大きな差が付きます。
特に相手が女性の場合、指先をよく見ています。
実際、A氏は爪を整えており、女性の方によく「爪、キレイだですね」と言われたそうです。
そのほかにも、お金はかかりますが、髭の脱毛や、歯の強制も効果があります。
眉毛を整えるだけでも印象は大きく変わりますね、特に今はマスクで口元が見えない分、目元は注目されます。
『話し方』
話し方や声のトーンは、内容よりも圧倒的に重要であると、A氏も言っていました。
例え、話の内容が薄かったり、微妙でも、話し方や声に気を付けるだけで「いい話だった」と言われやすくなり、印象もよくなります。
『ポジショニング』
これは、相手に「この人の話はしっかり聞いておいた方がいい」と思わせることです。
実際、A氏はセミナーや講演会を行うときに、数人のサクラを用意し、話の節々で「なるほど」「お~」「すごいな~」などと言わせ、雰囲気をで演出していたそうです。
また、その人が信頼している人からの紹介で知り合うことも、ポジショニングとして有効です。
これはマルチ商法のマニュアルに存在し「ABC」と言われているそうです。
Aはセミナーや講演会でプレゼンする人、Bは勧誘者、Cは勧誘された人で、これを最小の単位とすることを指します。
CにBが「この人は僕がとてもお世話になった人で、とても稼いでいる人で、ここで話を聞けるのは中々ないよ!」とAさんを紹介する方法をT-upと言います。
人間は何を言ったかではなく、誰が言ったかで判断してしまうため、この方法はとても有効です。
『相手を操作する為のトーク術』
トーク術、それは「相手の感情をどれだけ大きく動かすことができるか」です。
これは、論理的な説明や、それに対する知識よりも大切で、相手の感情を動かせなければ、どんなに論理的な説明をしても相手は動いてくれません。
では、感情を動かすにはどうしたらいのか、それはストーリーで説明することです。
よく宗教団体がアニメや映画を製作していますよね、有名なもので言えばオウム真理教のものがあり、映画であれば、幸福の科学が制作したものもあります。
これは、アニメや映画が洗脳のツールとしてとて優れているからです。
貴方も、アニメや映画、ドラマに心を動かされたことはありませんか?
笑ったり、泣いたり、イライラしたりした経験はあると思います。
つまり、自分は話したい内容に沿ったストーリーを組み立てられれば、相手を説得できる可能性は大きく上昇します。
特にストーリーを魅力的にするために効果的な方法がいくつかあるので、そちらも紹介します。
『興味を引く表現』
これは動画のサムネやタイトルがそれにあたります。
例えば、タイトル冒頭に「閲覧注意」と書かれると気になりますよね。
普段の日常生活の中でテレビは新聞、ネット記事や動画、SNSなどから、ワードを集めることができます。
『知識を与える』
これは、ストーリーを理解する上で必要な情報を指します。
一切の説明なしで、専門用語や横文字を使ってしまうと、相手を置いてけぼりにしてしまいます。
話す前にある程度重要なものは説明し、それ以外は、相手の様子を見つつ教えて上げましょう。
話をしているなかで、相手が首をかしげているなど、見るからに理解していないと判断できる場合があるので、見落とさない様にしましょう。
ここで注意なのは、話の間に挟む説明はできるだけ短くすることです。
説明が長くなってしまうと、本題のストーリーに戻れなくなってしまいます。
よくあるのが「あれ?どこまで話したっけ?」です。
これは出来るだけ避ける様にしましょう。
『証拠の提示』
これは論理的や客観的、データに基づく証拠はもちろん、相手に証拠であると思わせることができれば、基本的には何でも大丈夫です。
マルチで例えるなら、稼いでいるいないに関わらず、ハイブランドな洋服やカバン、アクセサリーを見につけらり、タワーマンションの最上階でパーティーを開いている様子や、大量の札束をSNSに投稿しているのは、これが理由です。
これで、お金を稼いでいる様に見せる事が出来ます。
また、共通の知り合いや有名人の名前を出すことも有効で、よく通販番組で、有名人が紹介している商品を愛用している話をすることで、その商品に対する信頼性を上げることが出来るのが理由です。
『相手の反応を見る』
これは先ほどの『知識を与える』の中でも書いた、相手が理解しているか見る事もそうですが、話の重要な部分で間を多くとってみたり、声のトーンを変えてみたりと、これはリアルタイムで話をする事の最大のメリットです。
これの能力に関しては、得意不得意はあるものの、練習次第です。
間違った練習をしてしまうと、効果が期待出来ないので、私は効果があると思う練習法をいくつか紹介します。
1.実際に声を出す。
声に出さないと、本番も声は出ませんし、噛んだり、詰まってしまう原因になります。
また、今はマスクをしている事が当たり前になっているので、マスクを付けた練習をしてみることも大切です。
2.練習の様子をスマホで撮影する。
これは少し恥ずかしいかもしれませんが、その分効果的です。
自分の説明を客観的に見ることができるため、修正点を見つけやすいです。
例えば、動画の中で聞き取りにくい部分があれば、声が小さかったり、こもっていたりするので、意識してみましょう。
3.知人、友人に聞いてもらう
これも恥ずかしいことですが、自分では気づけなかったポイントを見つけることが出来るチャンスです。
出来る限り色々な人に聞いてもらい、意見や感想を聞きましょう。
本番の緊張を和らげたり、人に話す事に対する苦手意識を軽減する効果もあります。
特に、何かについて説明をする際に、自分は分かっているが、周りは知らない事に気づいたりします。
4.本番と同じ場所、設備で練習する。
これによって、本番に予想外のアクシデントに会う可能性を下げ、柔軟に対応できるようになります。
『説得力を上げるには』
『信頼性が高い人の特徴』でも少し書きましたが、特に説得力に関してここでは紹介します。
『親近感』
例えば、お金持ちがチェーン店の牛丼を食べている動画を見た事がありますが、これも効果的です。
お金持ちという、自分とは違う存在が、自分食べたことがある牛丼を食べていると、親近感を感じる事が出来ます。
これはあくまで動画ですが、実際に会う場合は、相手の事を良く知っておくことが重要です。
例えば、貴方の趣味はゲームの場合、相手が同じソフトをプレイしていれば、親近感がわきますよね?
それには、相手は貴方の趣味がゲームであり、よくプレイするソフトの内容を知っておく必要があります。
これは、人間は承認欲求が強い特徴を持っているからで、自分について知ってもらえていると感じると、自分の情報を更に話してくれるようになります。
ですが、無理に趣味を合わせることはあえりません。
逆に、詳しくない事を晒しでしまい、相手からの評価を下げてしまう場合がありますので、できるだけ、共通点を探すようにしましょう。
趣味はもちろん、出身地、出身校などはその場に居て、そこでしか経験出来ない話が出来るので、とても有効です。
『好奇心』
これはとても強力で、自身の好奇心を満たす為に命を顧みない人もいるほどです。
そのため、この好奇心を意図的に刺激できるようになれば、人を動かすことが出来るようになるわけです。
では、どうすれば、好奇心を刺激できるのか、それは、質問と情報操作です。
ここでの質問とは、特に相手が考えるような、即答出来ない質問です。
答えが簡単に出ない質問に対して、人は好奇心を刺激されてしまいます。
そこで、自分は質問の回答をあらかじめ用意しておき、相手が悩んでいる所で、説明して納得してもらえると、相手は「なるほど、この人は自分の知らない事を知っている!」と思うわけです。
ですが、この情報操作を行うには、自分にある程度の知識が必要です。
何故なら、今から売ろうとしている商品について何も説明できなければ、相手に不信感を与えてしまうからです。
この方法には別のパターンもあり、逆に質問されるポイントを作っておくことです。
あえて、作っておくことで、それ対する完璧な回答を用意することが出来き、相手に納得してもらえるだけではなく、尊敬や信頼してもらうきっかけにもなります。
『共感』
ここで注意すべきは共感であり、同情では無いということです。
簡単に説明すると、共感は自分事として捉え、同情は他人事として捉えているということです。
具体例を出すなら、宝くじが当たって喜んでいる友人を見て自分も喜んでいるなら共感で「そりゃあ喜ぶよね」と思うのが同情です。
そのため、共感しやすい人は説得されやすい人になりますので、気を付けてください。
何故なら、相手に正しいと言われると、自分の中でも正しい事になってしまうからです。
これを利用する場合、まずは相手が共感しやすい話題から入りましょう。
例えば、最初に同僚と会社や上司の愚痴で盛り上がっているのはこれに当たります。
こうすることで、相手に「この人は自分と同じ考えを持っているのかもしれない」と思わせることが可能です。
こう思わせることで共感しやすい流れに出来れば、相手の中に明確な答えのないような話をして、自分の意見を述べましょう、相手はその意見に引っ張られて、自分の意見であるように錯覚してしまいます。
これに関しては同じジャンルの映画が好きな友人から、自分の知らない映画をオススメされた場合、見たくなり、その作品に対して良いイメージを持ちやすいのと同じです。
話が弾まない時の代表的な話の切り出し方に天気の話題がありますが、これは皆が同じ答えになるので、よい始め方と言えるでしょう。
『最後に』
いかがだったでしょうか、今回は分量が多くなってしまい、この時点で7000字を越えています。
書いていて私は疲れてしまっているので、ここまで読んでくださった方も少し、疲れを感じているのではないでしょうか。
しかし、今回紹介した「説得の心理技術」にはこれ以上の内容が詰まっているので、この記事を最後まで読めた方には、買う価値があるのではないでしょうか。
最後まで読んていただきありがとうございます。 この本が気になった方は、リンクを下に張っておきますので、チェックしてみてください。
この記事の内容をうのみにすることなく、複数の記事を参考にし、総合的に判断することをおすすめします。
では、またどこかで。
Amazonリンク
出版社リンク